産業廃棄物収集運搬業を始めたい方へ 新規許可に必要な「4つの要件」と最初のステップ「講習会」



「産業廃棄物の収集運搬業を始めたいけれど、何から準備すればいいのだろう」

「役所のホームページを見てみたが、専門用語が多くて全体像がつかめない」

新規で産業廃棄物収集運搬業の許可取得を目指す方から、こうしたお声をよく聞きます。産業廃棄物を扱うビジネスは環境への影響が大きいため、廃棄物処理法に基づいた厳格な審査基準が設けられています。

新規許可を取得するには、法律で定められた以下の「4つの要件」をすべてクリアする必要があります。


新規許可取得に必要な4つの要件

① 知識・技能の要件 指定の講習会を受講し、修了証を取得していること

② 適正性の要件(欠格要件) 法律で定められた欠格事由に該当していないこと

③ 施設の要件 産業廃棄物を適正に運搬できる車両や容器を所有していること

④ 経理的基礎の要件 事業を継続できる財務基盤があること(債務超過になっていないことなど)

当ブログでは、これから新規参入を目指す方が準備を進めやすいよう、これら4つの要件を順番に解説していきます。今回はその第1回として、申請準備の中で最も早く動き出す必要がある「① 知識・技能の要件(講習会)」について、実務上の注意点も含めてお伝えします。


講習会は「誰が」受講すればよいのか

許可の要件を満たすためには、事業の経営責任や業務執行権を持つ特定の立場の人が受講しなければなりません。現場の従業員や一般の事務員が受講して修了証を取得しても、許可申請の要件としては認められません。

具体的な受講対象者は以下のとおりです。

法人の場合 代表取締役、または常勤の取締役(会社の業務執行権を持つ役員)、あるいは政令で定める使用人(支店長・営業所長など、その事業所の業務に関し代表者に準ずる権限を持つ方)が対象です。

なお、会社法上の「監査役」は業務を監査する立場であり、自ら業務を執行する権限を持たないため、原則として受講対象者として認められません。代表取締役をはじめとする取締役が受講する必要があります。

個人の場合 申請者本人、または政令で定める使用人(支配人・営業所長など)が対象です。


どのコースを選べばよいのか

講習会は、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)が全国の産業廃棄物協会等と連携して実施しています。予約サイトには複数のコースが掲載されているため、以下を参考に間違えないよう選択してください。

項目選択すべき内容注意点
区分新規「更新」コースはすでに許可を持っている事業者向けです
課程収集・運搬課程「処分課程」は中間処理や埋立を行う事業者向けです
対象産業廃棄物医療系廃棄物やアスベストなど「特別管理産業廃棄物」を扱う場合は別途専用の課程が必要です

講習会の受講スタイルと流れ

以前は2日間会場に集まって講義を受けるスタイルでしたが、現在はオンライン学習と対面試験を組み合わせた2段階方式が定着しています。

① 申し込み・支払い JWセンターの公式ウェブサイトから希望の試験日程・会場を選んで申し込みます。

② オンライン学習(講義動画の視聴) パソコンやスマートフォンを使い、期間内にすべての講義動画を視聴します。テキストは事前に郵送されます。なお、すべての動画を視聴し終えていないと当日の修了試験を受けることができません。

③ 会場での修了試験(対面) 予約した試験日に指定の会場へ行き、マークシート方式の修了試験を受けます。


修了証の有効期限と活用方法

試験に合格しても、その場で修了証は発行されません。採点と手続きを経て、約2〜3週間後に郵送で届きます。「来週に許可申請をしたいから今週テストを受ける」というスケジュールでは間に合いませんので注意が必要です。

修了証の有効期限は修了日から5年間です。この期間内であれば、複数の自治体に許可を申請する際も同じ修了証を使うことができます。

たとえば、まず東京都の許可を取得し、3か月後に埼玉県と千葉県の許可も追加したい場合、5年以内であれば改めて講習会を受け直す必要はありません。手元の修了証の写しを添付して申請することが可能です。


予約枠の確保が最初の重要なポイント

実務上、特に注意が必要なのが試験会場の予約枠の確保です。

講習会の年間日程は毎年3月末頃に翌年度分(4月〜翌年3月)が一斉に発表され、原則としてその後に日程が追加されることはありません。

首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)などの大都市圏の会場は受付開始後すぐに埋まることが多く、秋以降は全国的に残り枠が少なくなります。年度末(1月〜3月)には近隣の会場がすべて満席で、遠方の県まで試験を受けに行かなければならないケースも珍しくありません。

講習会はどこで受けても全国すべての自治体への申請に有効ですので、早めに空き状況を確認して予約を押さえることをおすすめします。


次回のテーマについて

「いつまでに営業を開始したいか」から逆算して、まず講習会の予約を確保することが、新規参入への最初の一歩です。

次回のブログでは、4つの要件の2つ目である「欠格要件(どのような場合に許可を受けられないのか)」について解説します。その後、施設の要件(車両・容器の基準)、経理的基礎の要件(財務状況の審査)と続けていく予定です。

自社が要件をクリアできているかどうかの確認や、具体的な申請手続きについてお困りの場合は、お気軽にご相談ください。

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本記事は2026年5月時点の公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWTC)の実施要領および関係法令に基づき執筆しています。


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